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『黒色のオーラ』の歌詞が好きな理由の一つは、「こんなふうに愛してみたい」の恍惚と「こんなふうに愛されてみたい」の恍惚を両方高い強度で味わわせてくれること。《いつもおまえがいるから 夢を思い出す》と、言ってみたいし言われてみたい。

歌詞だけを追っているときは前者が強く、歌として聴くと後者も強くなる。音楽を聴くことは文字を読むこと以上に受動的な体験で、物理的な音声の聴取によって否応なく「言葉を浴びせられる」位置に置かれる。さらに歌声という形で他者の身体性が介入することによって、同一化よりも対象化の比重が大きくなる。

上のフレーズは、口説き文句として発されていないからこそ強力な口説き文句として作用する。意図と目的の不在が真正さの証明になっている。相手を感動させようとしていない、本質的には相手に向けられてすらいない、自分に起きていることを自分で理解しようとしているに過ぎない、それがどんな欲望を露出させてしまっているか自覚がない。だから欲望の純度が高い。

私は元々このフレーズのあまりのロマンティックさと危うさに惹かれてこの曲が好きになり、だからこそ後に『for Yourself』の《Let Me Set You Free》を聴いて衝撃を受けた。だって前者は「おまえがいないと夢を思い出せない」という告白なのに(そしてそれゆえに)後者は「俺がいなくても夢を追え」というメッセージなわけで、切なすぎる。


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